少女革命ウテナ、世界観の個人的解釈

各所考察サイト様などから掻い摘んで良いと思った考察や解釈を自分用にまとめたもの

 

 

 

鳳暁生の目的→気高い若者の王子様の剣を奪って薔薇の門を開く(王子様の力を取り戻し永遠を手に入れる)

※永遠=おとぎ話の「王子さまとお姫さまは末永く幸せに暮らしました」。でも実際王子様になって永遠を手にして本当に幸福なの?という疑問は暁生さんには無いみたい。手段が目的になってる?

 

鳳学園の王子様→男でなくてはならない(生徒会役員は女生徒も全員男装している)

 

・冬芽、西園寺、幹→男
・樹璃→女だが枝織が好き(枝織の王子様になり  たい)
七実→兄に唆されただけで本来王子様の資格を有していないお姫様(冬芽の捨て駒)
ウテナ→王子様とお姫様の間で揺れ動く存在。鳳暁生と関係を持ちお姫様になりかけるが、終盤アンシーとの一悶着でアンシーの王子様になり世界を革命(アンシーを解放)する事を決意し最終決戦へ

 

⇒しかし、鳳学園の王子様は男でなくてはならない理なのでウテナはアンシーの王子様にはなれない(鳳学園という世界は革命できない)。そして暁生(王子様)も拒んだのでウテナはお姫様にもなれない。結果、鳳学園内で王子様にもお姫様にもなれなかったウテナはアンシーと同じ魔女になり、千本の剣(王子様お姫様システムから生じる嫉妬や歪みの暗喩?)に刺され学園から追放される。

ウテナは世界を革命(アンシーを暁生から解放)出来なかったが、ウテナのひたむきさでアンシーは意識革命を起こし、自発的に暁生を捨て学園を出る。

 

鳳学園→根室教授の研究とアンシーの魔力によって時間遅延の処置がなされている箱庭。

※時間が止まっているのは学園内と学園施設(学園外にある学生寮や桐生邸など)のみで度々出てくる生活感のある街は通常の時間の流れなのではないかと思われる。(街の人たちが学園や生徒たちに疑問を持たないのは魔女たるアンシーの魔力のせい?)

生徒は学園の王子様/お姫様システムという共通認識に縛られており、このシステムに疑問を持ったり反逆したりすると暁生によって卒業(追放)させられる。

 

暁生とアンシーの罪→近親相姦

苦しむ中でも王子様で居続けなければならないディオスを解放する(高潔な王子様を近親相姦の罪で汚して王子様で無くす)ためアンシーから関係を持ち掛けた。そのためアンシーは魔女になりディオスは王子様の役割を剥奪されただの大人(暁生)になってしまった。暁生が度々アンシーを憎んでいるような発言をするのはこのため。妹・共犯者として救ってくれた事を感謝し愛する一方で、 魔女として王子様の役割を奪い自分を縛り続ける彼女を憎んでいる。

 

その後の鳳学園(希望的仮説)

アンシーという魔力を失った鳳学園はおそらく時間遅延が解かれ普通の学園へと戻るのではないか?(影絵少女たちが将来の話をしていたり、登場人物それぞれが進級するような会話をしていたり、精神的に成長している描写がされていたり)

取り残された暁生は今度こそ本当になんの後ろ盾(アンシーの魔力)も持たない、ただの大人になってしまったのではないか。

 

総論

アンシーが外の世界でウテナを探す決意をして学園の門から自発的に足を踏み出した、という事実(少女革命=アンシーの意識革命)こそが『少女革命ウテナ』のエンディングの根底にあるもの。ビターハッピーエンド(でも10年後には2人でお茶会してね)

「この薔薇があなたに届きますように」